
そうです、アグネスタキオンは、ただ1頭次元の違う走りを見せてくれました。そして新馬では、驚きの上がり3ハロン33秒台というパフォーマンスを見せ、2着リブロードキャストに3馬身半差をつけて圧勝したのです。このレースは、3着にメイショウラムセス(後に富士ステークス優勝)、5着に1番人気のボーンキング(ダービー馬・フサイチコンコルドの半弟、その後京成杯優勝)、9着にアドマイヤセレクト(セレクトセールで1億9千万円)と有力馬、良血馬の集まったレースでした。
そして、アグネスタキオンが2戦目に選んだレースは、年明けにすべての3歳馬が目指す、そして競馬関係者誰もが夢見る競馬最大のレース、東京優駿(日本ダービー)を視野に入れている競争馬が集まる、そして有力馬を何頭も輩出しているレース、ラジオたんぱ杯3歳ステークスでした。当然相手は強化されることは当然ですが、近年まれに見る好メンバーが集まりました。
アグネスタキオンは、新馬勝ちからの挑戦でしたが、新馬戦の走りが評価され3番人気に指示されていました。そしてアグネスタキオンは、ここでも見ているものをアッといわせるすばらしい走りをみせ、見事に勝利しました。このレースは、アグネスタキオンのレースで、今でも心に残るレースの一つだったことは言うまでもありません。

同レースでの2馬身半差の2着には、のちの東京優駿(日本ダービー)、ジャパンカップ優勝馬のジャングルポケット、3着はのちにNHKマイルカップ、ジャパンカップダート優勝馬のクロフネと、後から振り返るとのちのGI馬が1着、2着、3着を占める近年まれに見ない、超ハイレベルの一戦でした。
翌年、年明けの初戦に、アグネスタキオンが選んだレースは、皐月賞を見据え弥生賞を選びましたが、あいにくの雨で馬場は不良馬場という最悪の状態でした。しかし、この弥生賞でも、アグネスタキオンは、2着のボーンキングに手前も変えずに5馬身差という圧倒的な差で勝利し、その強さを中山競馬場の観衆に見せつけました。なお4着にはのちの菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)の優勝馬マンハッタンカフェがいました。
そして二戦目は、当然クラシック第一弾となる皐月賞です。ここでも、アグネスタキオンは、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に見事応えて快勝、2着にはのちの宝塚記念優勝馬ダンツフレームがいました。これで4戦全勝、しかもいずれも次元の違う走りを見せての圧衝撃であったことから、アグネスタキオンの三冠は確実との声もあがっていましたが、5月2日に左前浅屈腱炎を発症し、ダービーを断念、その後社台ファームに放牧されたが、関係者協議の上で引退が決定し、惜しまれながら9月30日に阪神競馬場で引退式が行われました。

アグネスタキオンが下したジャングルポケット、クロフネ、マンハッタンカフェがのちにGIに優勝するなどして活躍したため、アグネスタキオンの評価は引退後も高まっていきました。幻の三冠馬と呼ぶ人も多く、ジャングルポケットが勝った日本ダービーのTV中継では、「ジャングルポケットがゴールした瞬間に、2馬身先にアグネスタキオンが走っている姿が見えた」と、解説者が発言していた事は有名です。
また、完勝に見えた皐月賞ですが、鞍上の河内洋騎手は「アグネスタキオン本来の走りではない」と言っていますが、アグネスタキオンの計り知れない強さがうかがい知れるコメントでした。また、屈腱炎を発症した左脚は弥生賞のレース後から、具合があまり良くなかったとのことですが、弥生賞に屈腱炎の原因があるという意見もあります。アグネスタキオンは、底知れないスピード能力を持っていますが、そのスピードに体が耐えられないという競走馬のジレンマを体験した馬なのではないでしょうか。
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